正直に言うと、「ピルスナー」という言葉を見た瞬間、少し身構えた。
最近のクラフト界隈では“ピルスナー詐欺”も珍しくないからだ。
だがこの「BEYOND THE PACIFIC」は、良い意味でその警戒心をぶち壊してくる。
見た目は確かに淡色、しかしグラスから立ち上がる香りは明らかに普通じゃない。
IPAを彷彿とさせるフルーティーさと、ドライでキレのある飲み口。
そのギャップに戸惑いながらも、気づけばもう一口…
そんな不思議な引力を持った一本だ。

しかし、綺麗なパッケージデザインだ。
クラフトビールそのものだな。

パッケージ紙を巻き付けているパターンね。
缶を持った時の触り心地が格別です。
伊勢角屋麦酒 BEYOND THE PACIFIC の商品情報
| 画像 | ![]() | |
| 商品名 | BEYOND THE PACIFIC | |
| 発売日 | – | |
| 品目 | ビール | |
| 原材料 | 大麦麦芽、米、ホップ | |
| 内容量 | 350ml | |
| アルコール度数 | 5.5% | |
| 純アルコール量(350mlあたり) | – | |
| 成分 100mlあたり | エネルギー | – |
| たんぱく質 | – | |
| 脂質 | – | |
| 炭水化物 | – | |
| 糖質 | – | |
| 食物繊維 | – | |
| 食塩相当量 | – | |
| プリン体 | – | |
| 缶の形状 | – | |
| 購入したお店 | 兵庫県内の阪神百貨店 | |
| 値段 | 715円(税込) | |
お米を使用したドライながらも奥行きのあるピルスナーをベースに、アメリカ北西部産のホップを使用している。
Strata(ストラータ)
特徴
- 香りがとにかく派手
- パッションフルーツ、マンゴー、グレープフルーツ
- ほんのりダンク(草・樹脂っぽい)なIPAらしさもある
- 甘さと苦味のバランスが良い
印象
・NEIPAにも
・ウェストコーストIPAにも
・セッションIPAにも使える万能型
「今どきのIPA感」を一発で出せるホップ。
Krush(クラッシュ)
特徴
- マンゴー、グアバ、オレンジ、ピーチ
- Strataよりダンクさが弱く、明るくジューシー
- 香りがクリアで、嫌味が出にくい
印象
・Hazy IPA
・セッションIPA
・ピルスナー寄りのモダンラガー
など、軽快さを活かしたスタイル向き。
伊勢角屋麦酒 BEYOND THE PACIFICの実飲レビュー
このビールの最大の特徴は、「ピルスナー」という言葉から想像する世界観を、最初の一口で裏切ってくる点にある。
色合いは確かに淡く、泡立ちもクラシック寄り。
しかし、香り・味・余韻のすべてが、一般的なピルスナーの枠に収まらない。
IPA的なホップキャラクターと、米由来のドライさが共存し、軽さと厚みを同時に感じさせる構成だ。
これは“飲みやすい”だけのビールではなく、飲み手に考えさせてくるタイプ。
伊勢角屋麦酒の技術力と思想が、はっきりと表れている。






色・見た目
淡めの黄金色で、グラス越しに指先が確認できるほどの透明感。
ただし完全なクリアではなく、わずかに濁りがあり、指紋までは見えない。
この「少しだけ濁った」という点が重要で、普通の量産型ピルスナーとは違うぞ、という主張を視覚的に放ってくる。
色味自体は軽やかで爽快感があるが、その奥に“何か仕込んでいる感”が漂う。
見た目だけで判断するとあっさり系に思えるが、後の展開を考えると、このギャップはなかなか意地が悪い。
泡立ち
泡はやや粗めで、立ち上がりは中程度。
きめ細かくクリーミーというよりは、粒の大きな泡がざっくりと形成されるタイプだ。
ただし保持性はしっかりしており、時間が経っても泡の膜が残る。
この泡質からも、いわゆる「上品なラガー」とは違う方向性が伝わってくる。
荒さがあるというより、意図的にクラフト感を残している印象。
泡を眺めているだけでも、このビールが“普通じゃないピルスナー”であることが分かる。
香り
香りはかなりフルーティーで、一般的なピルスナーの概念を軽く飛び越えてくる。
マンゴーやオレンジを思わせるトロピカル寄りのアロマが立ち上がり、ホップの存在感は明確だ。
StrataやKrushといったアメリカ北西部産ホップのキャラクターが前面に出ており、「これはIPAじゃないのか?」と錯覚するレベル。
ただし、どこかクリーンで雑味がなく、香りが暴れすぎない点は、日本人向けに調整されていると感じる。
味


口に含んだ瞬間、まず感じるのは酸味・苦味・甘み・香ばしさが同居した複雑なファーストインプレッション。
ピルスナーと名乗りながら、HAZY IPAに近い雰囲気すらある。
しかし、その“サビ”が過ぎると一気にクリア度が増し、飲み口がライトに切り替わる。
この切り替わりが非常に面白い。米を使ったドライな設計が効いており、後半は驚くほどスッと引いていく。
重たさを引きずらず、清涼感すら感じさせる構成は見事だ。
後味・余韻
後味には酸味と苦味の余韻が残るが、全体としては軽やかで爽快。
IPA的なホップの余韻を残しつつ、ドライなフィニッシュで綺麗に切れる。
冬にこの爽快感は合わないのでは?と思いきや、意外としっくりくるのが不思議なところ。
これは伊勢角屋麦酒の設計力あってこそだろう。
ピルスナーと聞いて想像する“いつものビール”とは完全に別物。
夏はもちろん、通年で楽しめる完成度の高い一本だ。
伊勢角屋麦酒 BEYOND THE PACIFICの口コミ・評判
全体的な評価傾向としては「ピルスナーとは思えないホップ感」「IPA好きにも刺さる」という声が多い。

香りが完全にIPAで驚いた

軽いのに満足感がある不思議なビール

ドライなのに奥行きがあって何杯でも飲める

淡い色、荒めの泡、フルーティーな香り、IPA的な入りから一転するドライなキレ、爽快な余韻――ピルスナーの枠を壊しつつ、日本人の味覚にしっかり着地させるバランス感覚はさすが伊勢角屋麦酒で、正直かなり完成度が高いです。
伊勢角屋麦酒 BEYOND THE PACIFICがおすすめの人やシーン

まとめ:Goodな裏切りを含んだシャレオツピルスナー

「ピルスナー」という言葉に安心感を求める人には、少し裏切りがあるかもしれない。
だが、ホップの個性とドライな飲み口を両立させたこのビールは、IPAとピルスナーの“いいとこ取り”とも言える存在だ
税込700円オーバーという価格にも納得できる内容で、飲み進めるほど評価が上がるタイプ。
気づけばもう一本欲しくなる、そんな中毒性を秘めている。


