「オランダ発祥、フランス製造」――この時点でツッコミ待ちのようなビール、オレンジブーン。
オランダの老舗ブランドながら、現在は輸出向けを中心にフランス製造というやや複雑な経歴を持つ。見た目はクラシカルで、正統派ヨーロピアンラガーを名乗っているが、果たしてその実力はどうなのか。
甘いだけの“外見ビール”か、それとも歴史に裏打ちされた職人の味か。
さっそく一口、検証してみよう。

ややこしい育ちのビールだな。

複雑な生い立ちのビールだ。

原材料はトウモロコシも入っている変わり種だな。
Oranjiboomオレンジブーン プレミアムラガービールの商品情報
| 画像 | ![]() | |
| 商品名 | Oranji boom オレンジブーン プレミアムラガービール | |
| 発売日 | – | |
| 品目 | ビール | |
| 原材料 | 麦芽、ホップ、トウモロコシ | |
| 内容量 | 330ml | |
| アルコール度数 | 5.0% | |
| 純アルコール量(350mlあたり) | – | |
| 成分 100mlあたり | エネルギー | – |
| たんぱく質 | – | |
| 脂質 | – | |
| 炭水化物 | – | |
| 糖質 | – | |
| 食物繊維 | – | |
| 食塩相当量 | – | |
| プリン体 | – | |
| 缶の形状 | ツルツル | |
| 購入したお店 | 兵庫県内のやまや | |
| 値段 | 330ml 218円(税込) | |
●ブランドの基本情報
・発祥:オランダ(1671年創業)
・ヨーロッパでも非常に古い歴史を持つ大手ビールブランド
・現在は フランスのブリュワリーグループ傘下(=フランスでも大きく展開)
→そのため “オランダ発祥・フランス育ち” と言われることがある
●味やスタイル
オランダらしいすっきり系ラガーを基本としながら、以下のように種類が豊富:
・プレミアムラガー
・ストロングビール
・缶のデザインがメタリックで派手なのが特徴
クセが少なく、ガツンと飲みたい層に人気。
●世界での立ち位置
・ヨーロッパ全域に広く流通
・特にイギリス・フランス・東欧で存在感が大きい
・クラフト系というより “インターナショナルラガー” の立ち位置
Oranjiboomオレンジブーン プレミアムラガービールの実飲レビュー
ヨーロッパらしい柔らかな香りと、ラガーの爽快感を併せ持つオレンジブーン。
軽やかで飲みやすいのに、なぜか印象が残る――そんな一杯を徹底レビューしていこう。








色・見た目
グラスに注いだ瞬間、まず感じるのは「濁り」。
透き通る黄金色ではなく、やや霞のあるゴールドトーン。
指先はグラス越しにかすかに見える程度で、見た目からして“ただのライトビールじゃない”雰囲気を漂わせている。
照明にかざすと優しい琥珀のような輝きもあり、質感が深い。
プレミアムラガーの名に恥じない外観で、見た目だけなら堂々たる欧州ビール。
派手さではなく落ち着いた上品さがある。
泡立ち
注ぎたての泡は細かくクリーミー。
だが、残念ながら立ち上がりも持続性も控えめで、すぐに液体の表面が顔を出す。
華やかさに欠けるが、逆にいえば香りをストレートに感じやすい設計とも言える。
炭酸の強さは中程度で、飲みやすさ重視のセッティング。
泡の寿命の短さを“軽薄”と取るか“ドライ設計”と取るかは人それぞれだが、個人的には後者だ。
全体のバランスを崩さない泡の量は計算された印象。
香り
まず香りが非常に特徴的。香ばしさよりも“甘美さ”が先にくる。
フルーティーなアロマに加え、やや妖艶な香り立ちがあり、ラガーにしては珍しい印象。
麦芽と副原料(トウモロコシ)の甘いニュアンスが絶妙に交わり、香りの層を生んでいる。
グラスを近づけるたびに「もう一口飲んで確かめたい」と思わせる誘惑系の香りだ。
軽く鼻で嗅いだだけで「上品なのに色気がある」という言葉がしっくりくる。
味


口に含むとまず広がるのは、微かな酸味と麦芽由来の優しい甘み。
コーンが加わっているせいか、角のない丸みを帯びた旨味が舌全体を包み込む。
苦味は非常に控えめで、日本人の味覚にも馴染みやすい。
派手な主張はないが、全体がよくまとまっており「飲みやすいのに飽きない」理想的なバランス感。
同時期に飲んだエチゴビールのダブルドラゴンのような深みはないが、スッと抜ける爽快感はこのビールの魅力だ。
後味・余韻
飲み終えた後も、香ばしさと気品のある甘みが穏やかに広がる。
ボディは中程度ながら、存在感はしっかりしており、軽すぎないのが嬉しい。
余韻の中にほんのり残るフルーティーな甘さがクセになる。
苦味の引き際が柔らかく、女性やビール初心者にも好まれそうだ。
全体的に「よくできた優等生ビール」という印象だが、そこにフランス製造らしい洒落っ気も漂う。
派手さはないが、完成度は高い。
Oranjiboomオレンジブーン プレミアムラガービールの口コミ・評判
SNSでは「ヨーロッパらしい香りとまろやかさ」「飲みやすくてクセがない」といった声が多い。
日本でもクラフト愛好家から“意外な穴場ビール”として再評価されている。

香りが甘くて優しい。まさにヨーロッパのラガー

飲みやすいけど薄くない。バランスがいい

コスパの高い輸入ビールとしてリピート確定

色はやや濁り、泡は控えめ、香りは甘く妖艶、味はバランス重視、余韻は上品。全体としては非常に整っており、完成度が高い。毒を吐くなら“優等生すぎて記憶に残りづらい”が、それもまた美徳。奇抜さがない代わりに、毎日でも飲める安心感がある。結局のところ、このビールは“派手さより信頼感”。飲むたびに「やっぱりヨーロッパのラガーは格が違う」と思わされる。
Oranjiboomオレンジブーン プレミアムラガービールがおすすめの人やシーン

まとめ:静かに主張する“ヨーロピアン・バランス”の妙

「フランス オレンジブーン プレミアムラガー」は、派手さもトリッキーさもないが、飲み続けるほどに良さがわかる“じわ伸びタイプ”のビールだ。
甘さ・香ばしさ・苦味のバランスが取れ、外国ビールが苦手な人でも受け入れやすい。
見た目は上品、中身は芯のあるラガー。
派手さで勝負しないクラフトの余裕を感じる、完成度の高い1本だ。



