「軽やかに自分らしく」と聞けば聞こえはいいが、
ビールにそんな中途半端なキャッチコピーが必要なのか?
と首をかしげる。
アサヒ空想開発局が打ち出した「AQUARY(アクアリー)」は、ビールの定義をギリギリ攻めているようで、実際に口にした印象は“ビールの皮をかぶった何か”。
果たして新しい可能性か、単なる実験止まりか、徹底的に本音でレビューする。

今回は全体的に厳し目だな。

うむ。
前回のスパイスビールがかなり尖って存在感があったけど、今回はうん・・・。
好きな人にはハマるかもね。苦いビールが苦手な人には特にね。
アサヒAQUARY(アクアリー)の商品情報
画像 | ![]() | |
商品名 | AQUARY(アクアリー) | |
品目 | ビール | |
原材料 | 麦芽(外国製造又は国内製造(5%未満))、 ホップ、米、コーン、スターチ | |
内容量 | 350ml | |
アルコール度数 | 5.0% | |
純アルコール量(350mlあたり) | – | |
成分 100mlあたり | エネルギー | – |
たんぱく質 | – | |
脂質 | – | |
炭水化物 | – | |
糖質 | – | |
食物繊維 | – | |
食塩相当量 | – | |
プリン体 | – | |
缶の形状 | ツルツル | |
購入したお店 | アサヒ空想開発局 | |
値段 | 350ml✕6缶セット 2310円(税込) |
「アサヒ空想開発局」は、アサヒビールが運営するECサイト/プロジェクトで、新商品を“テスト販売”したり、消費者の意見を聞いて改良を重ねたりしながら“好き”を具体化することを目的とする部門。
■概要
以前は「ASAHI Happy Project」という名称でしたが、サイトを全面リニューアルし、「アサヒ空想開発局」に改称。
スローガンは「好きだから空想する。好きだからカタチにする。」
■主な特徴・仕組み
テスト販売:一般流通で出す前段階として、限定数・期間限定で新商品をECサイトで販売。
消費者の声の収集:購入者にアンケートを実施し、味・パッケージなどに関するフィードバックを商品開発に活かす。
“好き”重視のクリエイティブ:消費者や商品開発の担当者の「好き」やこだわりを反映させる、「遊び心」や試行錯誤を含む商品づくりが行われている。
アサヒAQUARY(アクアリー)の実飲レビュー
日常的に飲むビールとはひと味違う「アサヒ AQUARY」。
見た目はクリアで爽やかな黄金色なのに、飲んでみると苦みや酸味のバランスに意外なクセが潜む。
副原料感の強さや軽さに戸惑いつつも、グラスに注いだ時の美しさや飲みやすさは魅力だが、とにかく軽い。
ここからは色・泡立ち・香り・味・後味の5項目をそれぞれ掘り下げてレビューしていく。







色・見た目
クリアすぎるほど透き通った黄金色。
ここまで透明度が高いと逆にビールらしさが削ぎ落とされている気がする。
グラス越しに指の皺まで見えるのは印象的で、麦芽の厚みや個性を視覚から期待できない。
色だけなら発泡酒やノンアルと大差ない印象だ。
泡立ち
泡はきめ細かく、立ち上がりも良好で保持性もそこそこある。
撮影中も残るので見た目の体裁は悪くない。
クリーミーさが「期待させて裏切る」構図になっており、見た目先行型のビールという印象が拭えない。
香り
麦芽の香りはかすかにするが、とにかく弱い。
爽やといえば聞こえはいいが、要は薄い・・・。
クラフトビールの世界で当たり前になった柑橘やフルーティーなアロマは少なく、香りだけで人を惹きつける力は弱め。
味


ファーストインパクトは酸味と苦味が同時にふわっと来るが、副原料っぽい軽さが前面に出てくる。
麦芽の深みは皆無で、どちらかというと発泡酒やノンアルコールに近い。
ボディが薄く、ビールを飲んでいる満足感は乏しい。
正直「発泡酒です」とラベルに書かれていれば納得しただろう。
ビールと名乗るから余計に残念さが際立つ。
最初このビールを見た時に、キリンの「晴れ風」や「一番搾りホワイトビール」のような飲み心地だと思ったのだが・・・
まったく違うアプローチだった。
飲みやすさや軽やかさを尖らすならライバル会社のような感じがよかった・・・
後味・余韻
後味に残るのは苦味と酸味の余韻だが、どちらも軽くて存在感が弱い。
麦芽の香ばしさやホップの奥行きはほとんどなく、キレもない。
むしろ発泡酒やノンアル寄りの後味で、ビール党からすれば「これで終わり?」と肩透かしを食らう。
ただ、ライト志向の人にはワンチャン刺さる・・・かもしれない。
アサヒAQUARY(アクアリー)の口コミ・評判
全体的な傾向としては「軽すぎて物足りない」という声が多数派だが、一方で「昼から飲める軽快さは良い」という評価も散見される。好みが真っ二つに分かれるタイプのビールだ。口コミもマイナス部分も目立つ。

水みたいに飲めるけど、ビールとしては薄すぎる

休日の昼に外で飲むにはアリ、夜の晩酌には物足りない

発泡酒やノンアル寄り。これなら他のアサヒ製品を選ぶ

クリアすぎる色、クリーミーだが浮いた泡、弱すぎる香り、軽い味と後味とすべてが「軽やか」の方向に寄りすぎ、ビール党には物足りないが、逆にライト志向には新しい選択肢となる。
Xでのレビューも意見が分かれてますね。
アサヒAQUARY(アクアリー)がおすすめの人やシーン

まとめ:アサヒ AQUARY(クリアリー) 軽やかすぎる挑戦作

まずアサヒの「AQUARY」は、ビール党には確実に刺さらないだろう。
とにかく軽く、最近の若者の嗜好に振り切っている感じがする。
だが、昼から飲める軽快さ、ゴクゴク飲める爽快感という点では新しい方向性を示している。
「軽やかさ」を求める層にはちょうどいい落としどころかもしれない。
ビールとしては薄いが、発泡酒やノンアルからステップアップしたい人には入口になり得る。
毒舌で言えば「これをビールと呼ぶな」だが、存在意義は確かにあると思う。
(6本セットではなく、4本くらいでもいいな・・・)