「ビールの形をした日本酒」。最初に浮かんだ感想はこれでした。
箕面ビールが秋鹿酒造の麹米を使い、酵素の力を引き出すために仕込み工程ではなく発酵工程で投入するという、前代未聞のアプローチで生み出した1本。これはもはや異文化融合の傑作。

日本酒のエッセンスが盛り込まれたビールか。

うむ。
非常に奥深い味だった。
箕面ビール 猿山鹿男の商品情報
商品名 | ![]() | |
箕面ビール 猿山鹿男 | ||
原材料 | 麦芽(外国製造)、米麹、 ホップ | |
アルコール度数 | 7.0% | |
純アルコール量 (350mlあたり) | – | |
成分 350mLあたり | エネルギー | – |
たんぱく質 | – | |
脂質 | – | |
炭水化物 | – | |
-糖質 | – | |
-食物繊維 | – | |
食塩相当量 | – | |
プリン体 | – | |
形状 | 330ml 瓶 | |
購入したお店 | 兵庫県内の成城石井 | |
購入した値段 | 747円(税込) |
株式会社箕面ビール
大阪府箕面市に本拠を構える1996年設立の地ビールメーカー。
「ゆずホ和イト」「W-IPA」など、クラフトビール好きを唸らせる名作多数。
家族経営からスタートした小規模ブルワリーながら、国内外のビールコンテストで数々の受賞歴を誇る実力派。
伝統と創造を両立し、“日本人が日本の素材でつくるビール”にこだわり続けている。
秋鹿酒造有限会社
1886年(明治19年)に大阪府豊能郡能勢町で創業された酒蔵です。「農醸一貫」をモットーに、米作りから酒造りまで一貫して行い、全量純米酒を製造しています。自社栽培の山田錦や雄町を使用し、無農薬・無化学肥料での米作りに取り組んでいます。その酒造りは、米の旨味を最大限に引き出すことを目指し、伝統的な製法と現代的な技術を融合させています。所在地は、大阪府豊能郡能勢町倉垣1007番地。自然豊かな環境の中で、個性豊かな日本酒を醸し続けています。
箕面ビール 猿山鹿男の実飲レビュー
「麹を使ったビール? それってもう日本酒やん」——
最初はそんな疑念がよぎるかもしれない。
だがこの“猿山鹿男”、実際に飲んでみるとまるで想像を裏切る旨さだった。
日本酒のような吟醸香と米の甘み、セゾンイーストのドライなキレ。これは一度体験すべき異端の名作だ。
「セゾンイースト(Saison Yeast)」とは、ベルギー発祥の伝統的なビアスタイル「セゾン(Saison)」を醸造する際に用いられる酵母(イースト)のことを指します。この酵母は、セゾンビール特有の風味や香りを生み出す重要な要素です。
■セゾンビールとは?
セゾンビールは、ベルギー南部のワロン地方で、農家が夏の農作業中に喉の渇きを癒すために、冬から春先にかけて醸造していたビールです。
「セゾン」はフランス語で「季節」を意味し、季節労働者(セゾニエ)のためのビールとしても知られています。
このビールは、フルーティーでスパイシーな香り、ドライな飲み口、爽やかな酸味が特徴で、アルコール度数は4.5%〜8.0%程度と幅広く、醸造所ごとに多様なスタイルがあります。




色・見た目
見た目は淡い金色で、軽やかに見えるが決してクリアではない。
モヤがかったビール液は、うっすら指先が見える程度の透明度。
日本酒の「にごり」を思わせる質感があり、ただのセゾンではないことを視覚からも伝えてくる。
スタイリッシュさではなく“素材感”を感じさせる色合いで、なんとも食欲をそそるビジュアル。
泡立ち
立ち上がりは抑えめ。
きめ細かさはあるものの、泡の層は早めに消えていく。
保持性は低めだが、このビールはそもそも泡で語るタイプではない。
液体そのものの旨味と香りにすべてを注いだような仕上がりで、ビールの“泡命”という常識すら打ち砕いてくる。
泡が控えめな分、麹の存在感がそのまま伝わってくるという逆転の美学。
香り
鼻を近づけると、まるで吟醸酒。
米麹の華やかで甘やかな香りがまず一撃。
そこにモルトの香ばしさが加わり、日本酒×ビールのハイブリッドアロマが炸裂する。
ホップは裏方に回り、主役は完全に“米”。
こんなに個性が強いのに不快じゃない。
むしろ心地よく包まれる香りの層。
香りだけで満足できる一本とは、なかなか珍しい。
味


口に入れた瞬間、ふんわりと甘い米の旨味が広がる。
酸味は穏やかで苦みも控えめ。まさに「日本酒みたいなビール」。
セゾンらしいドライ感もあるが、それ以上に米麹の甘みとコクが立ちすぎていて、セゾンの軽さは霞むほど。
高級料亭で出てきても不思議じゃない味わいで、特に白身魚や塩系の和食と合わせたくなる。
もはや“晩酌用クラフトビール”の最前線とも言える。
後味・余韻
喉を通ってからが本番。余韻に米の甘みとモルトのまろやかさがじんわり残る。
セゾンらしいキレを想像すると肩透かしだが、その代わりに得られる旨味の残り香がたまらない。
後味まで米が生きており、「ビールを飲んだのか、日本酒を飲んだのか?」と混乱するほど。
飲み終えたあとの静かな感動こそ、このビールの真骨頂。
箕面ビール 猿山鹿男の口コミ・評判
「初体験すぎて驚いた」「ビールなのに日本酒みたい」という口コミも。
とにかく“唯一無二”という評価が多く見られた。

日本酒感強すぎて、脳が混乱した。でも美味い。

麹がガチすぎる。クラフトの新境地だと思う。

和食に合うビールって本当にあったんだなと感動した。

透明度の低さ、泡の控えめさ、米麹の香り、味、余韻…。どこを切っても異端。でも不快感はない。むしろ「今までのビールとは違う」ことに驚きと喜びがあります。
エールでもセゾンでもない、“日本の酒”としてのクラフト感が凝縮されていました。
箕面ビール 猿山鹿男がおすすめの人やシーン

まとめ:麹が主役。ビールの新しい答えがここにある

和の要素を全開にしつつ、セゾンビールの枠を壊してきた問題児。
だが、それは暴走ではなく計算された個性。
米麹の香りと甘み、ビールとしてのドライ感、そして料理との相性。
日本ならではの新ジャンルとして、唯一無二の立ち位置を築いた1本。
クラフトビール好きは一度飲んでおかないと損。